政府は、経営所得安定対策を見直すとともに、新たな米政策の在り方として減反政策を見直すこととしました。米の消費がますます減少する中での政策転換。猫の目農政と批判しつつも、今こそ地域の水田農業をどうするのかしっかり考える必要があります。

5年後に国は生産数量目標の配分に関与しない方針

 現在、国は、需給動向により都道府県別の主食用米生産数量目標(主食用米を作付する面積)を配分しています。そして、生産調整の誘導措置として生産調整を守った農業者に対して米の直接支払交付金10アールあたり1万5千円が交付されていました。
今年からは、米の直接支払交付金が7千5百円に半減されます。さらに平成28年度をめどに米の直接支払交付金は廃止され、国は主食用米生産数量目標の配分を行わない方向です。

 

減反しなくてもよいということではありません

 国が主食用米の生産数量目標配分をしなくなることと減反がなくなることは同じではありません。減反をなくしてこれまで以上に主食用米を生産しても過剰米が増えるばかりであり、米価は暴落してしまいます。需要に応じた計画的な米の生産は引き続き必要です。生産者とJAが主体となって需要にあわせて何をどれだけ作るのかを定めて取り組むこととなります。

 

売れる米づくりがますます重要

 米の需要要因として、価格、量、品質、産地、生産者指定や栽培方法などがあります。産地や食味にこだわる消費者もたくさんおられますが、米の消費量の3分の1は家庭以外の消費です。米の産地や品種による品質、食味の格差は小さくなっている中で米を扱う食品産業は品質にこだわりつつ低価格な米を求めています。みな穂の米を求めるお得意先がどのくらいの価格でどのくらいの量を買ってくれるのかを見極めた中で生産面積がはじき出されてくるのです。他の産地の一歩前を行く特色のある米づくりがますます重要になります。

需要は米だけではない

 これまで取り組んできた麦や大豆などにもみな穂産を求める実需者がいます。みな穂産農産物の需要がどれだけあるかによって、何をどれだけ作付するかを決めることになるのです。麦や大豆に対する国の支援は継続される予定です。国の支援策を活用しながら質の高い麦や大豆などを需要量に応じた量が生産できる体制を地域全体で取り組む必要があります。

 

やっぱり地域営農

 5年後の減反廃止は減反しなくてもよいということではありません。需要と価格と政府の補償とを考えて何を作ったら最も所得が多くなるのかを考え、管内の水田をフルに活用しなければなりません。麦や大豆を栽培しているのは担い手農業者です。効率的に品質の良い作物を生産するためには団地化が不可欠です。団地化を維持するには戸々の農業者での取り組みでは困難です。私たち農業者には、持続的に消費者の皆様に安全で安心な農産物を供給する役割があります。農業者戸々が作りたいだけ物をつくるのではなく、地域全体で方向性を見出し地域全体で物づくりに取り組む地域営農の再認識が必要です。


政策に左右されない農業経営を

 朝日町で農業法人(有)クリーンみず穂を経営され、水稲、大豆、花卉、野菜などを栽培している柳澤伸一さんに、国の米政策見直しについてインタビューしました。

柳澤さん

 減反政策が見直されたからといって、需給バランスを無視して好き勝手に作付してしまっては生産者も消費者もお互いに苦しくなってしまいます。
我々農業者は、農業政策がどのように変わっても対応できる農業経営を目指していかなければなりません。
こういった時にJAの存在はとても心強いと感じています。我々は行政やJAとタイアップしながら需要と供給のバランスを考えた農業を目指したいと考えています。
今の農業政策は企業にとってはチャンスと見ることもできますが、地域社会が成り立つ仕組みを考慮していない政策に思えます。
農業は地域全体で取り組むことで地域を守る役割も果たしてきました。
地域を忘れてしまった今の政策では地域社会が崩壊してしまう恐れがあると危惧しています。

柳澤 伸一さん(70)

 50歳で脱サラし、専業農家へ。平成15年にクリーンみず穂を立ち上げ、法人化した。コシヒカリを中心にした水稲、野菜、花卉などを栽培しています。

 

 

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